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NOVA2001設定資料

マイコンBASICマガジン4月号別冊付録 SUPER SOFT MAGAZINE 1984 APR.4

ノバのストーリー STORY OF NOVA2001
彼らは1万数千年かかって、全銀河系の他の知的生命体を滅ぼした後、みずからの支配を永久のものとするために、ある自動機構を完成した。
それは、高次空間に存在して個々に独立して機能するカプセルで、銀河系内に無数にばらまかれ、常に周辺数十光年の空間を監視していた。もし、その空域に発生した知的生命体が、恒星間航行をはじめると、即座に無数の戦闘マシーンを送り出し、すべてを滅ぼしてしまうのであった。
しかし、超種族にも無限の繁栄はあり得ない。完全にマシーン・コントロールされた生活環境の中で彼らはしだいに退化した。100万年ののちには、彼らは肉のかたまりにすぎない原始生物として、忠実な機械たちに守られて目的もなく生きながらえているのであった。
だが...。全銀河系の生命体をおびやかし続ける彼らの支配機構は、その目的をいささかのゆるぎもなく、はたし続けているのだ。

☆A.D.2200
地球連邦のプロキシマーケンタウリ調査隊は、α-4上に発見された20万年前の古代異生物文明の遺跡から、おどろくべき情報を秘めたメッセージ・カプセルを発掘した。
そこには、超種族がしくんだ知的生命抹殺システムの秘密が、彼らにほろぼされつつも後世に望みをかける反撃者たちの手によって書き印されていたのである。
このメッセージをただちに母星地球へ送るとともに、調査艦隊より3機の次空探査艇が攻撃機に改造され、メッセージに指定された推定亜空間座標2001を求めて送り出された。
“幻想の都NOVA"...3機の次空攻撃機がたどりついたのは、有機コンピューターの支配する完全社会であった。はたして、そこではすでに地球人の恒星間航行を察知したシステムが、地球攻略用戦闘マシーン製造へと動きはじめていたのである。システムが完成すれば、この閉空間はまちがいなく地球上で開放されることになるであろう。人類存亡の使命をになった3機の次空攻撃艇ーー巨大な敵に対するアタックは今はじまった。


プロトタイプ版(仮タイトル:RAIDERS4)のストーリー

●STORY by BUCHA
俺はロボットである。何故だかわからない。生まれた時から自分がロボットであることを意識していた。多分そうプログラムされているのだ。とにかく俺は口ボットである。人間ではない。これからもずっとそうだろう。
何のロボットかって!?そんな事は考えたこともない。ただ両腕の先端にかなり物騒な物が付いている。大口径のレーザービームだ。幼稚園の保母さんロボットでないことは確かだ。それに俺は今だかつて自分の能力を発揮する機会に一度も出くわしたことがない。従って、このビームだって本当に使えるのかどうかも俺は知らない。何の為のロボットか聞きたいのはこっちの方だ。


まあ、俺自身が生まれてから、まだ数日しか経っていないせいもある。そうなのだ。俺はピカピカの新品なのである。それも、そこいらの新品とはわけが違う。別に自慢したいわけではないのだが、自慢したい気持がさらさらないわけでもないので話す。実はこの俺は世界最高の技術の粋を集めて造られた、エリートロボットなのである。あのNASAの頭脳を十個集めても足元にも及ばないという世界最大の兵器産業会社WWPに特別発注して造られたのがこの俺なのだ。だから俺は、高性能なのだ。世界中捜しても俺よりすごい奴はいないのだ。ハハハハハ。わかったか。

だんだん、声を大にして叫びたくなってきた。だがあいにく俺には口がない。なんでも俺の存在は、超秘密事項なのだそうだ。それで俺を造った奴らは、あえて口を付けなかったのかもしれない。秘密事項であるこの俺が全世界に向けて自分の事を宣伝しようものならそれこそ笑い話だ。しかし、たとえ俺に口があったとしても俺はそんなバカな事はしない。俺は、元来無口なのだ。口がないくせして無口もクソもなかろうと言う奴もいるだろうが、何と言われようとも俺は無口なのだ。なにしろ俺は紳士なのだ。男らしいのだ。この前テレビでそう言っていたから間違いない。それにしても無口なロボットに口を付けないというのは実に合理的だ。感心してしまう。もっともただ面倒くさいと思って手を抜いただけかもしれない。


俺がいかに優秀なロボットであるかは、今述べた通りだ。もっと話してやっても良いのだが、あいにく今は気分がすぐれない。どうも、俺はこの航空機っていう奴とは相性が良くないのである。断わって置くが船酔いだとか高所恐怖症とかのたぐいではない。見損なわないでもらいたい。俺は高性能ロボットなのである。そそんな、ちゃちに造られているはずがない。俺はこの何の頭脳も持たない鉄のかたまりが空を飛ぶというのが、どうも納得いかないのである。高性能ロボットであるこの俺でさえ空は飛べないというのに、こんな図体ばっかり大きい脳なしのこいつがさも当り前のようにスイスイと飛ぶなんて、認めたくない事実である。不公平だ。ずるいこと窮まりない。何故俺に空を飛ぶ機能をつけなかったのだ。明らかに設計ミスである。胸くそが悪い。責任者を連れて来い。そのかわりと言っては何だが、俺は足にはいささかの自信がある。まっかなスカイラインターボなど問題にならない程速いのだ。だが、空を飛べるに越した事はない。やはり断固、抗議すべきである。
「何故、俺がこんな思いまでしてこいつの腹の中でおとなしくしているかと言うと初の任務遂行の為にその目的地まで行く途中なのである。そうであった。仕事に行くのである。さっきまでテレビに見いっていてすっかり忘れていた。良くない傾向である。高性能ロボットにあるまじき行為である。ハッハッハッ......。
などと笑ってごまかせるロボットは俺ぐらいである。なにしろ俺は高性能ロボットなのだ。


どんな任務か簡単に言うと、(これも極秘なのだそうだが)ある、都市郊外に設置されている秘密研究所が今夜、襲撃されるというのだ。それもロボットにである。当然俺がこのビームの銃口を向ける相手もロボットだ。だから、どうも今回の仕事は気が乗らない。
彼らの大多数は工業用ロボットだそうだが、レーザーを持っている者もいれば、中には核融合炉を組みこんでいる者もいるらしい。へたに手荒な真似でもしようものなら、大都会にキノコ雲がたち登ることにもなりかねない。そこでこの俺の登場となったわけだ。彼らの電装系だけを破壊して、動きを封じてしまうのだ。もちろん俺には彼らの内部構造の全てが記憶されている。彼らに致命傷を与えずに済むことがせめてもの救いになった。
しかもこの仕事は全て内密に処理しなければならないのである。その研究所というのが、なんでも超極秘事項を扱っているのだそうでCIAにでも感づかれたらえらい騒ぎになるのだそうだ。
そんなワケで俺はたった一人で何百体ものロボット達を相手に戦わなければならないのである。何故彼らが研究所を必要としているのかは、聞かされていない。第一、俺の任務には関係ないしそんなことを考えるぐらいならテレビを見ていた方がよっぽどよろしい。


そろそろ、目的地に着いたようだ。やっとこいつの体内から出られるわけだ。
なんだかんだ言っても、今日の俺はいつになく力がみなぎっている。精神が高揚しているのだ。初めての任務だという事もあるが、もうひとつ理由がある。
この任務を完了した暁にはナント、口を付けてくれるというのである。いくら無口な紳士でも口があるのと無いのとでは雲泥の差がある。メシは食えるし、酒は飲めるし女もくどける。ケケケ。
まあこれからの俺の活躍ぶりをとくと見てくれ。正義のスーパーロボットいざ出陣!

NOVA2001設定資料: テキスト
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